2009年3月8日日曜日

読書ノート

田中均氏の「外交の力」を読みました。

田中氏は、元外務省の外務審議官(事務次官に次ぐポスト)で、
日米の経済問題や普天間基地移転問題、北朝鮮問題等について
外交官として携わってこられた方です。

田中氏については、その外交スタイルや考え方に関して、
賛否両論・毀誉褒貶あると思いますが、今回の著書については、
なかなか面白く読ませていただきました。

序章から第4章までは、今までの氏の外交官としての回想で、
第5章・第6章で今後の国際環境とそれに伴う日本外交のあり方
について述べられていました。

特に第5章は、「二十一世紀の外交戦略」というタイトルで、
現在田中氏が考えている日本が取るべき外交戦略について率直に
語らえています。

田中氏の考えでは、国際環境は、アメリカや日本などの今までの
先進国の地位・力が相対的に低下し、中国やインドなどいわゆる
BRICsの地位・力が相対的に上昇し、多極化の状況になるとの
こと。

このような状況下で日本外交の座標軸となるのは、
民主主義と自由経済を堅持し、国力・国益を増進することだと
述べています。

このぶれない軸を持って、具体的にどのような外交戦略及び
政策をとるべきかということについては、民主主義先進国主導体制
の再構築とそこへの新興国の参加を促すこと、そして日米関係を
日本もイニシアティブをしっかり取れるようなものに再構築すること、
そしてこのバイとマルチの関係をもとに、安全保障問題について
日本も積極的役割を果たすべきことが述べられています。

そして、地域的には田中氏の従来からの持論である「東アジア地域
共同体」の創設について述べられています。

この共同体も、すぐにEUのようなものを創るべきだと言っているわけで
はなく、東アジアの諸国間で共通の利益を見出し、その利益を守るための
枠組みを作り、その枠組みの積み重ねにより、機能主義的な共同体を
構築しようとするものです。

そしてその共通利益として現時点で諸国間で認識されていると田中氏が
考えているものは、「開かれた市場」とそれに伴う「相互依存」であり
この共通利益を堅持・促進させるための枠組みを諸国間で構築していく
ことが重要であるとのことです。

なるほどと思うところもあります。でもそんなにうまくいくかという
ところもあります。

本日はこのくらいにして、明日以降にもう少しこの著書の主張について
検討していきたいと思います。

◆記録
 今日までの自転車積算走行距離:490.1km
 今日までのiknow!進捗度:70%

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